令和時代の教育デザイン

心と体を育む新しいスポーツスクールミズノ「MISPO!」

文・矢島進二（日本デザイン振興会常務理事）
2025年10月号

ミズノは2024年春から、小学校1～3年生を対象としたマルチスポーツスクール「MISPO!（ミスポ）」の本格運用を開始した。MISPO!は、10種類のスポーツが経験可能なスクールで、2024年度グッドデザイン賞を受賞した。

現代の子どもたちはゲームやSNS、動画視聴に多くの時間を費やし、外で体を動かす機会が激減している。保護者からは「運動不足が心配」「集団生活で協調できるか不安」といった声が聞こえてくる。そんな現状を受け、ミズノが2024年春から新規事業化したのが、小学1〜3年生を対象にしたマルチスポーツスクール「MISPO!」だ。

従来のスポーツ教室は単一種目に特化し、指導者主体で技能習得を目的としてきた。しかしMISPO!は、多様なスポーツ体験を通じて、子どもの身体的成長だけでなく、精神的・社会的発達も促す総合的な教育プログラムとして設計されている。

最大の特長は、野球やサッカー、テニス、卓球、柔道、バスケットボールなど10種類以上のスポーツを体験できることだ。幼少期に身につけたい「36の基本動作」に対して、科学的根拠に基づいて、1種目当たり15の動きを組み込んでいる。また、「はしる」「なげる」「とぶ」「まわる」といった基本動作だけでなく、「ボールをなげて、とる」のように基本動作を組み合わせた運動もふんだんに盛り込んでいる。