校則を学びの場に転換する「みんなのルールメイキング」

生徒たちが対話を重ね、納得解を導き出しながら校則を見直す。認定NPO法人カタリバによる取り組みは、民主的な合意形成のプロセスを学びへと転換し、子どもたちの当事者意識を育むものとして高く評価され、グッドデザイン賞を受賞した。

みんなのルールメイキング運営事務局

日本の子どもたちは諸外国と比較して、自己効力感と社会参画意識が著しく低いと指摘されている。また2017年頃から「ブラック校則」が社会的関心を集め、時代に即さない校則が問題視されるようになった。「意欲と創造性をすべての10代へ」をスローガンに掲げる認定NPO法人カタリバは、この課題を教育的契機として捉え直し、校則の見直しプロセスそのものを「学びの場」へと昇華させるプログラムを実践している。それが「みんなのルールメイキング」だ。

「変えることが目的ではなく、プロセスを大切にしています」と事業責任者の藤本雅衣子氏は語る。生徒が主体となり生徒同士や教員・保護者とも対話を重ねながら、校則やルールの見直しを実践していく。その過程で、子どもたちは多様な考え方に触れ、視野が広がっていく。反対意見を持つ者とも対話を通じて共感できる部分を見出したり、根底にある想いは同じだったと気づくような体感を得る。

「校則をなくせばいいとか、子どもの言う通りに変えればいいということではないのです」と藤本氏は強調する。「自分の意見を伝え、対話を積み上げていくことで、学校という社会を民主的な場にしていくという取り組みです」。

(※全文:1697文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。