山口大学長 シンクタンクとして地域に貢献、「知の広場」を目指す

長州藩士の上田鳳陽が創設した私塾・山口講堂を前身に、200年以上もの長い歴史を誇る山口大学。明治維新胎動の地の総合大学として、先人のチャレンジ精神は今も引き継がれている。山口大学の教育研究の強み、地域との共創や今後の展望について、谷澤幸生学長に話を聞いた。

「発見」こそが学びの第一歩
STEAM教育に力を注ぐ

谷澤 幸生

谷澤 幸生

山口大学長
1958年生まれ。1987年山口大学大学院医学研究科修了、医学博士。山口大学大学院医学系研究科教授、医学部長などを歴任し、2020年から副学長。医学部附属病院で内科医としても勤務し、2005年から2016年まで医学部附属病院副病院長も兼任。2022年4月、国立大学法人山口大学長に就任。

──山口大学が掲げる教育理念について、お聞かせください。

本学は教育理念として「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」を掲げており、その理念はアカデミアのあるべき姿をうまく表していると自負しています。「発見」は、「驚き」や「好奇心」から生まれます。学びの第一歩として欠かせないのは、新しい物事に出会った時、新鮮な驚きを覚え、好奇心を抱くことのできる感受性です。

そして、その「発見」をそのままにせず、育んで何らかの形に結実させる。研究成果として社会に発信するのは、その典型の1つでしょう。簡単にはいかず、苦労することもあると思いますが、…

(※全文:4013文字 画像:あり)

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