若手研究者の育成環境を整え、国立大学初の教員評価制度を導入

評価によっては教授から准教授への降格もあり得る。金沢大学では評価により給与へ本格的に反映される制度を導入。またテニュア・トラック制度をはじめ優秀な若手研究者の育成など、常に高い付加価値を生み出すための戦略的な経営・運営改革を進めてきた山崎光悦学長に人材戦略について伺った。

国立大学は社会を変革する機動力

山崎 光悦

山崎 光悦

国立大学法人金沢大学学長
1951年生まれ。1976年金沢大学大学院工学研究科修士課程修了。工学博士。金沢大学工学部教授などを経て、2010年から理工研究域長・理工学域長、12年から理事(研究・国際担当)・副学長を務め、14年から現職。19年6月から国立大学協会副会長に就任。専門は機械工学。

金沢大学の源流は、1862(文久2)年に創設された加賀藩彦三種痘所まで遡る。150年以上の歴史を経て、日本海側にある基幹的な総合大学へと発展し、日本の高等教育、学術研究の興隆に大きな役割を果たしてきた。

世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症をきっかけに、大学だけではなく、社会全体が在宅勤務やインターネットを活用した教育などを経験し、ICT を活用すれば遠隔で仕事も授業も行えることを体験した。

山崎光悦学長は、「本学でも、インターネットを通した授業配信などを、この3カ月…

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