土佐フードビジネスクリエーター 人材創出事業を通じた地域の産業振興

これからの社会では地方独自の特色やニーズを生かしたリカレント教育が求められる。地域の産業と高等教育機関の連携はどのように図るべきだろうか。

高知県における、食品産業中核人材育成の意義

受田浩之(うけだ・ひろゆき)

受田浩之(うけだ・ひろゆき)

1960年北九州市生まれ。九州大学大学院農学研究科博士課程中途退学。農学博士(九州大学)。1986年九州大学農学部助手。1991年高知大学農学部助教授・ドイツ国立バイオテクノロジー研究所客員研究員。2004年同教授。2005年地域連携推進センター長・副学長(地域担当)。2019年より現職。内閣府消費者委員会委員 他

国内で初めて人口の自然減が認められた高知県では、その後の深刻な人口減少により、県内市場が縮小する負の連鎖が生じていた。この連鎖を断ち切るため、2008年から県では「高知県産業振興計画」を策定し、その計画を精力的に推進している。本計画の重点領域として当初から「食品産業」の振興が挙げられた。農林水産業を基幹産業とする高知県において、その付加価値を高め、「地産外商」によって域外から外貨を稼ぐには、食品産業の伸び代が大いに期待できると考えたからである。

その一方で、食品産業の振興において最も重要な…

(※全文:2732文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。