テクノロジー活用が進んでも教育はすべてが『リアル』である

春学期(6月末まで)の授業を全てオンラインに切り替えた国際基督教大学(ICU)。少人数教育、対話、寮生活でのピア・ラーニングなどリアルを重視してきた ICU における「オンライン教育の可能性」と「リアル教育の価値」について、岩切正一郎学長に話を伺った。

3月から準備していた、授業継続のための最善策

岩切正一郎

岩切正一郎

国際基督教大学学長
1959年宮崎県生まれ。東京大学大学院修士(文学)、パリ第7大学第3課程(DEA)。戯曲翻訳家。詩人。1996年助教授として ICU に着任。2007年教授。教養学部副部長、アドミッションズ・センター長、教養学部長を経て、2020年に学長就任。専門はフランス近・現代詩。蜷川幸雄の演出作品『ひばり』と『カリギュラ』の翻訳を担当し、第15回「湯浅芳子賞」を受賞。

国際基督教大学(以下 ICU)が全科目をオンライ授業に切り替えて新学期をスタートさせると発表したのは3月12日。全国的に見ても早いタイミングでの決断だった。学内では3月初めからさらなる感染拡大を想定した話し合いを始め、部門横断のコロナ対策室を立ち上げるなどして対応に当たった。

「選択肢は2つありました。ひとつは、収束が見られたら元の授業スタイルに戻すことを前提にオンライン授業に切り替えて例年通り4月9日から春学期をスタートさせること。もうひとつが、春学期の始まりを後ろにずらすことです。ただ、何週間か遅らせたところでオンライン授業を行わない可能性はないでしょうし…

(※全文:2462文字 画像:あり)

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