島根大学 越境する学びと協創で、地球レベルの持続可能性を追求

旧島根大学と旧島根医科大学の統合から早くも21年目を迎えた島根大学。現在、特定の専門領域にとどまらず、複数の領域を越境するクロス教育に注力する。その教育成果や研究の強化、地域連携の展開と今後へのビジョンについて、2024年4月から同大を牽引する大谷浩学長に聞いた。

学問領域を自由自在に越境し
専門性に加え幅広い視野を養う

大谷 浩

大谷 浩

島根大学長
1956年生まれ。京都大学医学部を卒業後、1995年に島根医科大学教授、2009年に島根大学医学教育担当副学長、2011年に同大学医学部長、2021年に同大学理事・副学長などを経て2024年4月から現職。専門は解剖学、発生生物学。趣味は音楽鑑賞(バッハなどクラシックから、ジャズ、ロック、ポップスなど広く)や絵画・美術鑑賞(セザンヌなど西洋美術から、琳派、慶派などを含む日本美術など広く)と読書。

──教育に関して最も注力している点についてお聞かせください。

本学は中規模ながら、松江キャンパスに法文、教育、人間科学、総合理工、生物資源科学、さらに昨年度新設した材料エネルギーの6学部、出雲キャンパスに医学部と計7学部があり、文理に偏ることなく主だった学問領域をすべてカバーしている大学です。非常に幅広いリソースが整っており、それぞれの専門分野を学ぶことができます。

ただし、VUCAの時代などと言われる昨今、1つの専門を極めるだけでは不十分です。そこで今年度から、新たに「クロス教育」という取り組みを始めています。クロス教育とはずばり、「越境して学ぶこと」です。例えば、同じ学部に所属する学生同士でも、全員が同じカリキュラムで同じ科目を履修するのではなく、各自の興味や関心、目標などに応じて、…

(※全文:3982 文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。