佐賀大学 知識の習得を超えた課題解決へ 実践智で未来を拓く

地域に根ざし、世界に開かれた教育と研究を使命とする佐賀大学。「実践智で未来を拓く」をスローガンに、単なる知識の習得にとどまらず、課題解決に活かす力の育成に注力している。教育研究の特徴や成果、今後のビジョンについて、2025年10月から同大を牽引する野出孝一学長に聞いた。

形式知を伝えるだけでは不十分
実社会で生きる知を授けたい

野出 孝一

野出 孝一

佐賀大学長
1988年3月佐賀医科大学医学科卒業、1997年3月大阪大学大学院医学研究科博士課程循環代謝病学修了。ハーバード大学医学部ブリガムウイメンズ病院循環器科研究員などを経て、2002年11月佐賀大学医学部内科学講座循環器内科主任教授、2023年10月佐賀大学医学部長/大学院医学系研究科長を経て、2025年10月佐賀大学長に就任。

──「実践智で未来を拓く」というスローガンには、どのような意味を込めていますか。

大学がこれまで担ってきたのは、学校で教えるべきとされる知識、いわゆる形式知を伝えることでした。それ自体は今後も重要ですが、これからの社会で必要とされる人材には、それだけでは足りないと感じています。経験を通じて身につく知、いわば経験知が重要になってきます。さらに言えば、知識や経験だけでなく、情動や感情、倫理といった要素も含めた力が求められる時代だと思っています。

複雑な組織や社会の中で活躍するためには、人間関係や他者への配慮、感情の扱い方といった部分も大きな意味を持ちます。単なる知識ではなく、知恵、いわゆるウィズダムと呼ばれるものが必要になります。「実践智」という言葉には、知識を基盤にしながら、経験を通じて深まり、…

(※全文:5009文字 画像:あり)

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